勉強嫌いな子だった頃の話。
はっきり言おう。
社会人になるまで、勉強は嫌いだった。
学生時代、出される宿題やテストに「答えが分かっているなら聞くなよ!」と思っていたくらい、勉強する意味が分からなかった。
…というのが、まえおきだ。
小学生の頃、父ちゃんに勉強を教えてもらったことがある。
というより『宿題の答えが知りたくて聞いた』が正しい。
聞いた結果、その日で宿題は終わらなかった。
父ちゃんに聞いて後悔した日である。
想像していなかったが、父ちゃんが教育熱心なタイプだったのだ。
例えば、1+1の答えを聞いたとしよう。
まず、2+2=4を解説する父ちゃん。
その後、「2+1は?」「1+3は?」とその場で作った問題を解かせる父ちゃん。
はっきり言おう。いい迷惑だ。
答えを教えないにしろ、1+1を解説してくれたら3分で終わった話だ。
足し算を例に書いたためすぐ終わりそうだが、距離・速さ系の問題になったら2.3時間じゃ終わらない。
とにかく例題が多いのだ。
2度と父ちゃんと宿題はやらないと誓ったのは言うまでもない。
例題で宿題が終わらない事件からしばらくして、父ちゃんがドリルを買ってくることが増えた。
おそらく、父ちゃんが思っていた以上に成績が悪いと判断されたのだろう(中の下くらいで悪すぎたわけではない)。
そのドリルをやる時は特殊ルールが適用された。
勉強するページに日付を書いたら、必ずその日で終わらせないといけないというルールだ。
問題を全て解き終わってから日付を書こうと思ったが、目標設定ということで、前もって日付を書かされたのだ。
もちろんやる気のないわたし。
わざわざ買ったドリルを意地でもさせたい、もしくはアホすぎる子の将来を心配したであろう父ちゃん。
見張られている間は頑張ってこなしていたが、見張りがなくなるとサボるわたし。
ただ、なぜかたまにやる気が出てドリルと向き合うことがあったわたし。
しかし、根っからの勉強嫌いで気分屋だ。
わからない問題があるとすぐ投げ出していたマイペース人間。
そこでネックなのが『日付ルール』である。
勉強嫌いではあるが、真面目な性格だったのでルールは守りたい。
というより、ルールを破って怒られるのが怖い。
ルールをやぶらず、気ままにドリルをやる方法を考えた結果、「今」という字を入れればいいんだ!と思いついた自称天才。
ドリルに「 月 日」と日付欄があれば、「今月今日」にしちゃえば問題解決である。
いつでも今月だし、いつでも今日だ。つまり、気が向いたときにやればいいのだ。
天才すぎないか?
大人になって当時のドリルが出てきたが、日付に「今月今日」だけが書かれて、問題は一切解かれていなかった。
『こいつヤバっ』とどこか他人事のように感じつつ、同時に『天才すぎる』と感心したのも事実だ。
母ちゃんがそのドリルを見つけた時、「アホか!!」と思ったらしい。直接言われたこともある。
声を大にして言いたい。
あなたの子は天才です。
自信持って!
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